クレジットカードの不正利用に気づいたら|すぐやる3つの手順と補償・3Dセキュアの基礎
身に覚えのない請求を見つけたら、まずカードを止めることが最優先です。多くのカードには不正利用の補償がありますが、届け出が遅れると補償の対象外になることがあります。手順と、補償を受けるための条件を整理しました。
結論
- 最初にやること:カード会社に連絡してカードを止める(アプリでの一時停止機能があればすぐ使う)
- 次にやること:利用明細を確認して不正な取引を特定し、カード会社の案内に沿って警察に相談する
- 補償の条件:多くのカードは「届け出日からさかのぼって一定期間内」の不正利用を補償します。気づいた時点ですぐ届け出ることが最も重要です
- 予防:利用通知をオンにし、3Dセキュア(本人認証)を設定しておくと、被害の発見が早まり、ネットでのなりすまし決済を防ぎやすくなります
不正利用の被害は「番号盗用」が9割以上
日本クレジット協会の集計によると、2025年(1〜12月)のクレジットカード不正利用被害額は510.5億円で、前年から8.0%減りました。ただし、内訳を見ると被害の中心は変わっていません。
| 区分 | 2025年の被害額 | 内容 |
|---|---|---|
| 番号盗用 | 475.4億円 | カード番号などの情報を盗まれ、ネット通販などで使われる |
| 偽造 | 7.2億円 | 磁気情報をコピーした偽造カードで使われる |
| その他 | 27.9億円 | 紛失・盗難など |
| 合計 | 510.5億円 |
出典:日本クレジット協会の集計(2026年3月公表)を報じたECのミカタ。数値は四捨五入のため合計が一致しない場合があります。
被害の9割以上が番号盗用です。カードを財布に入れたままでも、番号・有効期限・セキュリティコードが知られれば、ネット上では使われてしまいます。
不正利用に気づいたらすぐやる3つの手順
1. カード会社に連絡してカードを止める
最優先は、これ以上使われないようにすることです。カードの裏面や会員サイトに記載されている紛失・盗難の窓口に連絡します。多くの窓口は24時間受け付けています。
カード会社のアプリに一時停止(ロック)機能がある場合は、電話の前にまず停止しておくと、つながるまでの間の被害を防げます。
2. 利用明細で不正な取引を特定する
アプリや会員サイトで直近の利用明細を確認し、身に覚えのない取引をすべて洗い出します。少額の決済が続いている場合は、番号が使えるかを試す「テスト決済」の可能性があります。金額が小さくても報告してください。
家族カードやサブスクリプションの更新など、自分では忘れている正規の利用が混ざっていないかもあわせて確認します。
3. カード会社の案内に沿って警察に相談する
補償の手続きで、警察への届け出(受理番号など)を求められることがあります。カード会社から案内された場合は、最寄りの警察署に相談してください。
フィッシングメールやSMSのリンクから情報を入力した心当たりがある場合は、同じパスワードを使っている他のサービスのパスワードも変更しておきます。
補償を受けるための条件
多くのクレジットカードは、会員規約で不正利用の損害を補償しています。ただし、次の点に注意が必要です。
- 補償される期間に上限がある:届け出日からさかのぼって一定期間(60日前後とするカードが多い)より前の不正利用は、補償の対象外になることがあります。明細は毎月確認しましょう
- 対象外になるケースがある:本人の故意・重大な過失、家族や同居人による利用、暗証番号を入力した取引(本人に過失がない場合を除く)などは対象外とされるのが一般的です
- カードの再発行が必要になる:補償を受ける場合、通常はカード番号が変わります。公共料金などの登録変更が必要です
補償の範囲はカードごとに異なります。具体的な条件は、お持ちのカードの会員規約で確認してください。
3Dセキュア(本人認証)とは
3Dセキュアは、ネットでカードを使うときに、カード番号とは別の方法で本人かどうかを確認する仕組みです。現在主流の「EMV 3-Dセキュア」では、取引のリスクをカード会社が判定し、リスクが高いと判断した場合だけワンタイムパスワードや生体認証を求めます。
クレジットカード・セキュリティガイドラインの改訂により、原則としてすべてのEC加盟店で2025年3月末までにEMV 3-Dセキュアを導入することが求められました(ScanNetSecurity)。ネット通販の支払い画面でワンタイムパスワードの入力を求められる機会が増えたのはこのためです。
カード会社によっては、3Dセキュアの利用にアプリや会員サイトでの登録が必要です。ワンタイムパスワードの受け取り方法(SMS・メール・アプリ)もあわせて設定しておきましょう。
被害を防ぐために今日できる設定
- 利用通知をオンにする:カードを使うたびにアプリやメールに通知が届くようにすると、不正利用にその場で気づけます
- 3Dセキュアを設定する:ネットでのなりすまし決済を防ぎやすくなります
- 番号が券面にないカードや、アプリで番号を確認するカードを選ぶ:カードを見られて番号を盗まれるリスクを下げられます(バーチャルカード対応のカード一覧)
- スマホのタッチ決済を使う:Apple PayやGoogle Payでは、お店に実際のカード番号が渡らない仕組みになっています(Apple Pay対応のカード一覧)
- メールやSMSのリンクからカード情報を入力しない:カード会社を名乗るメッセージでも、公式アプリや自分で開いた公式サイトから確認します
- 明細を毎月確認する:補償の対象期間内に気づくために、少なくとも月1回は確認します
よくある質問
不正利用された分は返金されますか?
多くのカード会社は会員規約で不正利用の補償を定めており、条件を満たせば請求が取り消されます。ただし、届け出日からさかのぼって補償される期間には上限があり(60日前後とするカードが多い)、本人の故意・重大な過失や、家族による利用などは対象外です。条件は各カードの会員規約で確認してください。
カードを止めると、公共料金などの引き落としはどうなりますか?
カード番号が変わる再発行の場合、公共料金・携帯電話料金・サブスクリプションなどの登録カードを新しい番号に変更する必要があります。変更が済むまでは支払いが滞らないよう、請求元からの案内を確認してください。
カードを手元に持っているのに不正利用されるのはなぜですか?
カードそのものではなく、カード番号・有効期限・セキュリティコードが盗まれて使われる「番号盗用」が被害の大半を占めています。フィッシングサイトへの入力や、ネットショップからの情報流出が主な原因とされています。
3Dセキュアは自分で設定が必要ですか?
カード会社によります。カード会社のアプリや会員サイトでの登録、ワンタイムパスワードの受け取り方法の設定が必要な場合があります。お持ちのカード会社の案内を確認してください。
ナンバーレスカードなら不正利用されませんか?
券面に番号がないため、カードを見られて番号を盗まれるリスクは下がります。ただしネットで番号を入力する以上、フィッシングなどによる番号盗用のリスクはなくなりません。利用通知や3Dセキュアとあわせて使うことが大切です。